産業遺産と歴史の町-志免&宇美サイクリング

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志免町のランドマーク「旧志免鉱業所竪坑櫓(たてこうやぐら)」


産業遺産と歴史の町-志免(しめ)&宇美(うみ)サイクリング


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※1km=5分、時速12kmでの計算です

●福岡バイクツアー事務所in冷泉荘
| 4km、20分
●福岡空港 花園の緑地
| 2km、10分
●柴田玉樹商店(博多曲物)
| 0.5km、3分
●宇美川サイクリングロード
| 3km、15分
●カフェ家鴨軒
| 0.3km、3分
●大的レンガと水路の街並み
| 1km、10分
●竪坑櫓
| 0.5km、3分
●ひろみ饅頭
| 0.1km、3分
●大正町商店街
| 2km、10分
●光正寺古墳
| 3km、15分
●La Festa ラ・フェスタ
| 1km、5分
●宇美駅
| 1km、5分
●宇美町立歴史民俗資料館
| 0.1km、1分
●宇美八幡宮
| 6.5km、35分
●東平尾公園博多の森球技場(レベルファイブスタジアム)
| 7.5km、40分
●冷泉荘

冷泉荘—>竪坑櫓まで 約11km、1時間
冷泉荘—>光正寺古墳まで 約13.5km、1時間15分
冷泉荘—>宇美八幡宮まで 約18.5km、1時間40分
宇美八幡宮—>冷泉荘まで(空港経由) 約14km、1時間10分

※上記時間は直接向かった場合の参考走行時間です。
 各ポイントでの見学時間は含んでおりませんのでご注意下さい。



産業遺産の町、志免町(しめまち)と歴史・史跡の見所が豊富な宇美町(うみまち)は、福岡空港の東側に位置していて、福チャリから志免・竪坑櫓までは約11km、宇美までは約19kmとサイクリングにはほどよい距離にあります。今回の福岡~志免・宇美サイクリングは往復で約33kmなので、走行時間としてはゆっくりペースで約3時間弱といったところでしょうか。ランチや各見所での滞在時間含めると6時間あれば十分でしょう。


飛行機を間近に見れるド迫力 福岡空港


shime2 福岡空港は航空写真家垂涎の場所

福岡中心部からは福岡空港の北端を国道3号線を横切る「空港通り」を通ります。空港付近は、季節ごとの花畑がきれいな榎田中央公園横の緑地など離発着する飛行機を間近に見れるので、航空写真スポットとしても有名です。ぱっと止まれるのは自転車ならではですね。自動車だとそうはいきません。

福岡空港撮影場所をまとめたサイトでとても参考になります
http://aeroscape.sakura.ne.jp/fukguide/index.htm


貴重な博多の伝統工芸を伝える柴田玉樹商店


shime3 福岡・博多の伝統工芸品・お土産で有名な博多曲物(はかたまげもの)を製造販売する柴田玉樹商店

shime4 18代目柴田玉樹さん(右)とスタッフさん(左)。お二人ともとっても優しい方でした。

博多曲物は、杉や檜の板を曲げて桜の皮で端を綴じた容器です。弁当箱、ご飯入れなどの生活用品は通気性が良く、また茶道で使う菓子器などもあります。博多曲物の起源はいろいろあるようですが、江戸時代から盛んになり福岡市箱崎にある筥崎宮の神具として、古くから奉納されてきました。大正時代には20軒以上あったそうですが、今は2軒だけだとか。

ここ柴田玉樹商店は博多の町で400年以上も曲物作りを行ってきているそうです。すごいことですね!十八代目として家業を継ぐのが写真右側の柴田玉樹さん。お店にお邪魔すると気さくに作業しているところを見学させてくれたり、曲物についてお話しして下さいました。伝統工芸を支える力は素晴らしいですね。曲線がとても美しく手触りも木のぬくもりがやさしい博多曲物。ここ柴田玉樹商店では販売も行っていて購入することが出来ます。

柴田玉樹商店(日・祭日はお休み)
http://www.magemono.com/index.html

桜の時期は是非訪れたい宇美川サイクリングロード


柴田玉樹商店から宇美川沿いを南下してすぐの亀山新橋を渡ります。川の反対側を走る快適なサイクリングロードがおすすめです。亀山新橋から2つ目、仮屋橋から日枝橋、久保田橋の手前にかけてサイクリングロードは桜並木をくぐります。桜の季節はとても美しいですが、花見をされる人の出も多くありますので自転車から下りて歩くなど注意して通るようにお願いします。

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shime6 宇美川沿いのサイクリングロードを走りましょう

桜の時期になると・・・

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shime8 桜のトンネルをくぐれます!

桜並木を抜けたら、久保田橋、片峰橋を過ぎて片峰新橋のところで左に曲がり、県道24号線片峰新橋交差点に出ます。
片峰新橋交差点を直進して次の大的交差点を右に曲がると県道68号線です。

shime9 地元で人気のカフェ「家鴨軒(あひるけん)」

この県道68号線志免本町交差点近くには地元で愛されているカフェ「家鴨軒」があります。可愛い木造のカフェで、お店の前に置いてあるルパン三世でおなじみのフィアット500が目印です。家鴨軒はゆったり開放的な雰囲気のカフェで、おすすめは「パンプレート」。時間がゆっくり流れているのでまったりされて下さい。

家鴨軒(あひるけん)のブログ
http://ahiruken.blog.ocn.ne.jp/
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竪坑櫓はすぐそこ!

さて、志免のシンボル、竪坑櫓に向かいましょう。
カフェ家鴨軒から竪坑櫓に向かう途中、レンガ作りの建物が集まるエリアがあります。「大的(おおてき)地区」と呼ばれていますが、この辺りには蔵、レンガ塀そして水路が織りなす昔懐かしい風景が残っています。

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大的地区のレンガと水路の街並み

大的のレンガ地区から竪坑櫓を目指します。もう見えているので分かりやすいですね。近くまで行くと小高い丘の上に竪坑櫓があるのが分かります。
この竪坑櫓のすぐ近くまで行くには、まず志免町の総合福祉施設「シーメイト」に入ってそこからアクセスします。シーメイトには、少しですが旧志免鉱業所竪坑櫓に関する資料を閲覧出来ます。

シーメイト アクセスマップ
http://www.town.shime.lg.jp/site/shimate/accessmap.html

世界にたった3つだけしか残っていない世界遺産級建造物の竪坑櫓(国の重要文化財)


shime12 旧志免鉱業所竪坑櫓は圧倒的な存在感!

近くで見ると本当に迫力がありますね。まるで生きていて、今にも動き出すのではないかという錯覚に陥ってしまいます。

旧志免鉱業所竪坑櫓は、1943年(昭和18年)、旧日本海軍が石炭運搬・炭鉱夫昇降のため地下430mからケージと呼ばれるカゴを巻き上げる装置として作られました。高さ約48m、建設当時は戦時下にもかかわらずイギリス製の鉄鋼を多く使用した鉄筋コンクリート造です。ここ志免鉱業所は高カロリーの無煙炭と呼ばれる質の高い石炭を産出していました。戦前は海軍による戦艦の燃料として、戦後は国鉄による蒸気機関車の燃料として1964年(昭和39年)の閉山まで稼働し続けました。近代建設技術史上、価値が高いものとして、国の重要文化財に指定されています。

志免町歴史資料室
竪坑櫓から西に700mほどの所にある志免町役場敷地内にあって、竪坑櫓の模型などが展示されています。
9:00-17:00、月曜定休
http://www.town.shime.lg.jp/site/bunkazai/jyosetsuten.html

終戦前に建設されたもので現存しているのは世界でも志免炭鉱とベルギーリエージュ州のブレニー・ミーヌ、中国の撫順炭鉱の3か所だけ。ブレニーは世界遺産にも登録されています。志免のこの竪坑櫓も世界遺産に選ばれて欲しいですね!

ベルギーの竪坑 ブレニー・ミーヌ(世界遺産)
http://www.belgium-travel.jp/hotnews/2012/07/post-182.html

shime13 1955年当時の様子。国鉄による操業ですが一大採炭場ですね。

shime14 石炭塊
北部九州には多くの炭田があり、中でも糟屋炭田は良質であったことから1889年(明治22年)、ここ志免で採炭が開始されました。最盛期には従業員6,000人、年間50万トンもの採掘量を誇ったとあるので、日本を支える一大鉱業所だったんですね。

shime15 第八坑連卸坑口(だいはちこうつれおろしこうぐち)
この坑口からトロッコを使って、炭鉱夫、資材、ボタ(石炭として使えない岩石や質の悪い石炭)を運び出していたようです。ここから運ばれたボタは、写真の坑口の左側に見えるボタ山に積み上げられていたとのことです。

shime16 第五坑西側坑口
ベルトコンベアーを使った石炭運搬坑だったようです。今はもちろん中には入れません。

竪坑櫓で産業遺産を見学したら一路、宇美を目指しましょう。


石炭時代は大賑わいだった昔懐かしい商店街


shime17 志免名物「ひろみ饅頭」

竪坑櫓から南に400mほどのところに饅頭屋さんがあります。ひろみ饅頭・・・何故ひろみ?そう、このお店は有名な某歌手の親戚の方がされているお店だそうです。ここ志免町の出身の有名歌手さんは小さい頃、この辺りに住まわれていたようです。

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大正町商店街

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大正町商店街

ひろみ饅頭のすぐ近くにある大正町商店街は、かつては炭鉱労働者で大賑わいの商店街だったそうです。今では多くの店をお店を閉じていますが、小雪さん主演の映画「信さん 炭坑町のセレナーデ」(2010年11月末公開)のロケにも使われました。昔懐かしい、レトロな雰囲気がたまらない大正町商店街ですが、耳を澄ませばかつての炭坑時代の賑わいが聞こえてきそうです。

映画「信さん 炭坑町のセレナーデ」
http://movie.walkerplus.com/mv46379/


邪馬台国時代の王墓?光正寺古墳


shime20 光正寺古墳(こうしょうじこふん)
大正町商店街から南東に2kmほど行くと光正寺古墳があります。光正寺古墳は3世紀中~後半に築造されたと推定されている、この地域を支配していた豪族王の墓と言われる前方後円墳です。

また、中国の「魏志倭人伝」によると、3世紀中頃は日本のことを「倭国」として紹介しています。その倭国にはいくつかの国があったと記述されていて、その中でも奴国(なこく。今の福岡市、春日市近辺)の隣にあったとされる不彌国(ふみこく)がこの志免のあたりではないかと考えられています。もしそうだとすると、この光正寺古墳は不彌国の王の墓だったかもしれません。ちなみにこの不彌=フミが、今の宇美=ウミの名の由来とも言われています。

この古墳から出土した遺物は後述する宇美町立歴史民芸資料館に展示されています。

shime21 光正寺古墳の頂上から
古墳には上がれるように歩道が整備されていました。お墓だし、しかも王様のお墓かもしれないのにいいのかな?と思いつつもてっぺんまで上がると、志免、宇美を見渡せる素晴らしい眺めのグッドビューポイントでした。

古墳を南東に行くと、細い歩行者&自転車道と交差するので、この道を走ってみましょう。これは「緑道(りょくどう)」と呼ばれる道で、かつての勝田線という鉄道の線路の跡地、廃線跡です。緑道は先の柴田玉樹商店さんよりも北側からずっと伸びています。所々断線していますが、ずっとこの道を走ってもいいかもしれません。

廃線探索 勝田線2 勝田線廃線跡(緑道)について大変詳しいサイトです
http://www.hotetu.net/haisen/Kyushu/091121katutasen2.html

shime22 宇美のイタリア料理店 La Festa
宇美でのグルメはいくつかありますが、ここLa Festa(ラ・フェスタ)の生パスタはもちもちでとても美味しいです。フライパンのまま出てくるのもいいですね。地元の人気店なので、ランチタイムは混み合いますのでご注意を。

La Festa ラ・フェスタ
http://blog.goo.ne.jp/lafesta-umi

shime23 JR香椎線
ローカル線ムードたっぷりの香椎線で、この宇美駅から終点は志賀島近くの西戸崎駅(さいとざきえき)。かつて志免、宇美周辺で採掘された石炭を積出港がある西戸崎まで輸送するために作られた路線です。西戸崎からは船で呉などに運ばれたようです。

志賀島(しかのしま)サイクリングコース~海、グルメ、見所満載!~
https://fukuokacycling.com/ja/shikanoshima/

この香椎線、あることで日本で唯一ここだけの路線でもあります。それは起点・終点の両方の駅で、他の路線と連絡が無いことだそうです。起点・終点である宇美駅も西戸崎駅も両方とも他の線とつながっていません。他にもありそうですが、日本でここだけらしいです。

香椎線 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%99%E6%A4%8E%E7%B7%9A

shime24 宇美駅
駅舎は後述する宇美八幡宮を模して作られました。かつて炭鉱が栄えた当時はそれは賑やかな駅だったようです。今は福岡のベッドタウンの駅の一つになっています。

shime25 宇美町立歴史民俗資料館
宇美八幡宮のすぐ隣にあります。光正寺古墳からの出土品はじめ数多くある宇美周辺の遺跡から発掘された貴重な文化財の展示の他、生活道具などの民俗資料も展示。

宇美町立歴史民俗資料館
9:00AM~5:00PM(入館は4:45OMまで)、毎週月曜日休み、入場料無料
TEL(092)932-0011
http://www.rekishi-umi.jp/


安産の神様として全国的に名高い宇美八幡宮


umihachiman 宇美八幡宮
宇美八幡宮は神功皇后が応神天皇をお産みになった場所であることから安産の神様として全国的に有名な神社です。応神天皇を主祭神に、その母である神功皇后や、航海の神である住吉大神などを祀っています。宇美八幡宮のHPによると、創建はきわめて古く「敏達天皇三年」(574年頃)、平安時代には石清水八幡宮と本末関係になって安産祈願の守護神として信仰された、とあります。1,400年以上もの歴史があるのですね。宇美の語源として、先ほどの不彌(フミ)の他に「産み」(うみ)が宇美となったという説もあります。

宇美八幡宮
http://www3.ocn.ne.jp/~umi8man/u_frame_1.htm

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宇美八幡宮 湯蓋の森(ゆぶたのもり)
樹齢2,000年とも言われる楠(クス)の古木で、宇美八幡宮のシンボル的存在です。応神天皇降誕の折、この木の下で産湯につかった際に枝葉が蓋のように被さった、という言い伝えから湯蓋の森と名付けられました。本殿に向かって右手にあります。

shime28 宇美八幡宮 子安の石(こやすのいし)
妊娠した人が子安の石を一つ持ち帰れば、安産にご利益があると言われていて、無事に出産を終えた後はその石を返すとともに、別の石に生まれた子供の名前を書いて納める習わしがあります。そのためこのようにたくさんの石が納められています。宇美八幡宮は全国の安産の神社に比べても安産信仰に関する伝承が多く、他にも「子安の木」、「産湯の水」などがあります。

shime29 宇美八幡宮 子安餅
安産祈願・出産祝いのお餅として参拝客に人気があります。あと、ここで売られている苺大福は格別の味です!

shime30 福岡のサッカー・ラグビーの聖地 東平尾公園博多の森球技場(レベルファイブスタジアム)
Jリーグ・アビスパ福岡の他、ジャパンラグビートップリーグの九州電力キューデンヴォルテクス、コカ・コーラウエストレッドスパークス、日本女子サッカーリーグ所属の福岡J・アンクラスの本拠地として使われています。 試合の無い日は無料でスタンド内(制限あり)を見学できます。誰もいないスタジアムも気持ち良くていいですね!

レベルファイブスタジアム アビスパ福岡
http://www.avispa.co.jp/homeground.html

shime31 福岡空港
またまた福岡空港に戻って来ました。
福岡空港は14万回の離発着回数で日本で3番目に忙しい空港です(1位は東京・羽田、2位は東京・成田)。しかし滑走路はたった1本しかないので、滑走路1本当りの離発着回数は日本一。

空港まで地下鉄で博多駅からは6分と格段の好アクセスの立地で「世界一便利な空港」とも言われています。

shime32 牧のうどん空港店
福岡空港の近くにある通称「マッキー」の牧のうどん。腰が無いもちもちやわやわが特徴の博多うどんで、牧のうどんは出汁がさっぱりしていて美味しい。おすすめメニューはこれまた博多独特のごぼ天(ごぼう天ぷら)1杯400円をどうぞ。

shime33 天ぷらひらお
安くて人気の天ぷら屋さん、ひらお本店が空港沿いにあります。魚3品、いか、野菜3品の天ぷら定食670円の他にもメニュー豊富。

天ぷらひらお
http://www.hirao-foods.net/menu/

今回は宇美から福岡市内に戻るコース(宇美~(空港経由)~福岡市内:約14km)でしたが、時間・体力がある方は宇美から大宰府に抜けるルートも可能です。宇美から太宰府天満宮まで約9km、太宰府天満宮から福岡市内までは約18kmなので、計27kmとなり、空港経由より+13kmの距離です。

福岡・博多・天神から自転車で太宰府まで
http://blog.fukuchari.com/history/dazaifu/



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